タイヤの空気圧チェックとタイヤ規格の関係

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車のタイヤ空気圧チェックで多い間違い!

タイヤ空気圧チェックで多い間違いと適正数値

 タイヤに関する悩みで意外と多いのが自動車のタイヤ空気圧です。

 確かにタイヤは車の動力を路面に伝える唯一無二のパーツですから、いくら車が高性能でもタイヤの空気がなければ思い通りに動かし止まる事も出来ません。

 言ってしまえば、車の安全性や運動性能、快適性の基本ベースとなるのがタイヤです。
 そして、そのタイヤの性能を存分に発揮できるかどうかが空気圧に掛かってるわけです。

 ですがタイヤの空気圧について認識のズレや間違いが多く、ないがしろにされがち。
 正直、車の性能だの高品質タイヤブランドだの言う前に、愛車の空気圧チェックと適正数値を知る事が最重要です。

 そこでこちらのページでは、自分の車とタイヤに合った空気圧について書いてみます。

タイヤの適正空気圧は車種の指定数値だけで決まらない

タイヤの適正空気圧は車種の指定数値だけで決まらない

 まず、車の適正空気圧を調べるとき、運転席ドア開口部の指定空気圧表示シール(又は取扱説明書)で確認すると思います。この数値はその車種が一番安全で快適に運転操作できる基準の値です。
 ですがここで知っておきたいのは、メーカーがその車種に指定する純正タイヤを装着した場合の数値ということ。純正タイヤは分かりやすく言うと新車納車時に装着されてるタイヤです。
(オプション設定やディーラーのサービスによって変わる場合があります。)

「えっ?同じタイヤサイズなら空気圧もみんな一緒で良いんでしょ?」なんて声も聞こえてきそうですが、違います

 これについて以下に詳しく説明していきます。

国産タイヤと輸入タイヤは規格で適正空気圧が変わる

 国産タイヤは基本的にJATMA(ジャトマ:日本自動車タイヤ協会)というタイヤ規格に沿って作られています。

 そして日本車のドア内側に表示されてる指定空気圧や純正タイヤもJATMAが基準になっています。

 ですが日本には多くの輸入タイヤが市場に流れていおり、それら輸入タイヤの多くはETRTO(エトルト:ヨーロッパ規格)というJATMAとは違う規格で作られています。また、この他にもTRA(アメリカ規格)などが売られています。
 そして、それぞれの規格ごとに、空気圧によってタイヤが耐えられる負荷能力(許容荷重)が変わります。

 つまり、JATMA以外のタイヤ規格は車の指定空気圧では間違いということ!
 規格が違う場合はそれぞれの車種が指定する負荷能力に合わせた空気圧設定が必要になってきます。

「俺は国産だから関係ないよ」という方もいるかもしれませんが、そのタイヤは本当にJATMA規格ですか?

 通販で売られている格安のブリヂストンやダンロップなど日本ブランドが実は、輸出向け用や海外から逆輸入されたETRTO規格だったりするんです。
 また、現在は日本メーカーでも偏平率の薄いサイズはXL規格(エクストラロード)というETRTOが定める規格に沿って作っていたりもします。

インチアップなど偏平タイヤのXL規格表示

XL規格とは、従来からあるスタンダード規格(STD)よりも空気圧を高くする事ができ、さらに大きい耐荷重能力を得られるタイヤの規格です。RFD規格(レインフォースド)と言われる事もあります。)

 身近な海外タイヤメーカーと言えば、ミシュランやグッドイヤー、ピレリなどですが、これらのようなテレビでも見るようなブランドでさえ、ETRTO規格のものが多くあります。

 このETRTO規格タイヤの評判って、「柔らかい」というものが多いと思います。
 これが、たくさんの人が空気圧を間違えてるんだろうなって思う部分なんです。

 通常、JATMA規格よりETRTO規格の方が高い空気圧設定になるのですが、それをJATMAに合わせて下げてしまってる。

 で、これを正しい空気圧に調整すると、乗り心地や運動性能が格段に向上します。見違えるんです。
 いや、向上するというより、それが“正しい数値”なんですけどね。。

これはもう車種が指定する耐荷重指数(車体を支える力)より低下してる状態が横行してるんです。

 また、クロカンSUV用のオフロードタイヤや貨物用LT(ライトトラック)タイヤなどのTRA規格が国産メーカーでも採用されています。

TRAタイヤ規格LTライトトラックタイヤの刻印表示

(LTタイヤはサイズ表記の先頭や最後尾に“LT”が含まれます)

 ちなみに今現在、日本に流通するタイヤメーカーはどのくらいあると思いますか?
 CMで宣伝されているブリヂストンや横浜タイヤ、ダンロップ、トーヨー、FALKEN、ミシュラン、グッドイヤー辺りは、誰もが聞いた事があると思います。でもこれだけじゃないんです。

 それなりに流通量があるメーカーだけでも20社ほど、さらに細かいものも含めればもっとあり、その多くが輸入タイヤです。
 近年では日本でも激安で品質のしっかりした輸入タイヤ(アジアンタイヤなど)を装着するユーザーがどんどん増えており、このタイヤ規格に関する正しい認識が必要となっています。

 一気に説明したので分かり易くまとめると、今ではJATMA規格のタイヤだけでなく、ETRTOスタンダード規格・ETRTO XL規格やTRA規格のタイヤが日本にたくさんあると言う事です。

ちょっとまとめ!

JATMA規格:日本のタイヤ規格で国産車の指定空気圧もこれに準拠

ETRTOスタンダード規格(STD):ベーシックなヨーロッパのタイヤ規格

ETRTOエクストラロード規格(XL):高圧設定できるヨーロッパのタイヤ規格でレインフォースド(RFD)規格とも言う

TRA規格:アメリカのタイヤ規格でクロカンSUVや貨物用1BOXバンなどのLT(ライトトラック)タイヤなど

自分のタイヤはJATMA規格?それともETRTO規格?

 先に挙げたタイヤ規格の中で、タイヤサイズ表記が同じで勘違いしやすいのがJATMAとETRTOです。

JATMAとETRTOはタイヤサイズ表記が同じ

 上の画像はよく見掛けるサイズ表記ですがこれ、ETRTO規格タイヤの表示です。
TRA規格は“LT”や“PR(プライ)”が一緒に表示されているので見分けやすく、車種カテゴリの特異な少数派なので、混乱を避けるためここでは割愛します。)

 では、自分のタイヤが準拠してる規格をどうやって調べるか?それにはETRTO規格を表したECマークがタイヤ側面に刻印されてるかどうかで見極めます。

 ECマークのデザインは、○の中に「E4」や「E2」などが表示されています。

ETRTOヨーロッパタイヤ規格のECマークE2 ETRTOヨーロッパタイヤ規格ECマークE4 ETRTOヨーロッパタイヤ規格ECマークE11

 イタリア製タイヤやドイツ製、デンマーク製などヨーロッパメーカーはもちろん、台湾製タイヤや中国製、韓国製、香港製、インドネシア製など、アジアン輸入タイヤもほとんどETRTO規格です。

 ちなみにYOKOHAMAタイヤ、トーヨータイヤ、ブリヂストンなど、どの国産タイヤでもETRTO規格タイヤを国外向けに製造してますから、日本製だと思ってもとりあえず確認してみましょう。
 ディーラーやタイヤブランド直系列ショップで買った製品ならJATMAだと思いますが、タイヤディスカウント店やネット通販はETRTO規格も多いです。

ブリヂストンecopiaタイヤETRTO規格ECマークE4 ブリヂストンTURANZAタイヤETRTO規格ECマークE4

(ブリヂストンecopiaとTURANZAのECマーク)

YOKOHAMAアイスガードのECマークE4

(YOKOHAMAタイヤアイスガードのECマーク)

 もしETRTOだった場合は、次にXL規格(RFD規格)の刻印がタイヤ側面にあるか探します。無ければETRTOスタンダード(STD)規格です。
(日本製タイヤではECマークが無くてもXL規格の場合があります)

ETRTOエクストラロード規格の表示

 上の写真はXL(エクストラロード)の表示で、この他に“XL”や“REINFORCED”・“RFD”(レインフォースド)などの刻印があります。呼び方が違うだけで、どちらも同じものを指します。
 これらの表示は大抵が小さめなので、見逃さないようにしましょう。

 これで、自分の車に装着してるタイヤがどの規格か判別できたと思います。

 結果が、純正タイヤサイズと同じJATMA規格国産タイヤだった方に関しては、車体表示シールの指定空気圧を基準にして考えれば問題ありません。
 ですがETRTO規格タイヤだった場合、空気圧が充分でない事から大事故に繋がる可能性もあります。

 語弊が無いように説明しておきますが、昨今では国産の半額以下で買える格安で素晴らしい輸入タイヤ(アジアンタイヤ)が豊富にあるので私もおすすめしていますが、ETRTO規格輸入タイヤの品質や性能が悪いのではなく、使うユーザー側の勘違いや知識の無さから問題が起こる危険があるわけです。

ETRTO規格輸入タイヤの正しい空気圧の調べ方は、こちらをご覧ください。

空気圧が足りないと事故を誘発する

⇒「知らないと危険!ETRTO規格輸入タイヤの適正空気圧」記事こちら


【アジアンタイヤを総合評価!】

輸入タイヤを実際に装着した使用感と高性能比較ランキング

⇒「人気輸入タイヤランキング」記事こちら


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