バッテリー点検してますか?
自動車メンテナンスで重要な部品の一つが、“バッテリー”です。
車の血液とも言える電気系統を動かすために、無くてはならないものですね。
ヘッドライトやブレーキランプからメーターパネル・内装パネルバルブ、キーレス機能、そしてエンジンを掛けたりプラグを放電させてエンジンを動かす電気まで、“バッテリーがなければ車は大きな鉄クズ”と言われるくらい、バッテリーは重要なパーツです。
ですが交換時期に関しては、各車オーナーが個々に管理してる場合が多いと思います。
もちろん、車検や定期点検などで大抵バッテリー電圧もチェックされるので、「バッテリー交換した方がいいですよ」なんて言われたら交換してる方もいるでしょう。
なぜこんな話を取り上げたかというと、外気温がだんだん下がって来る11月頃になるとバッテリー上がりのレスキューがグンっと増えるんです。
だから毎年、肌寒くなってくると「あ、もうバッテリーの時期だな」なんて思うんですよね。
そうなんです。
バッテリーは寒い冬の時期にダメになる、エンジンが掛からなくなる事が本当に多いんです。
でね、得てしてそういう時って、ちょっと山道だったり、さらに冷え込む真夜中だったりと、困る状況が多い。
車の中でレスキューを待ってても、エンジンが掛かってない車内はどんどん冷え込んで行きますからね。怖いものです。
そこで今回は、冬本番になる前にバッテリー点検と交換目安についてお話しします。
「ボンネット開けた事ない!」なんて人は、ぜひ覚えてください。
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バッテリーは寒いと性能が低下する
なぜバッテリー上がりが冬に多いか。それはバッテリーの特性が大きく影響しています。
自動車バッテリーは「鉛蓄電池」という種類の電池で、電極に鉛(なまり)、バッテリー液(電解液)は希硫酸が使われています。
そして鉛と硫酸が反応・分解することで、電子を蓄えたり放出したりします。つまり電気が流れるわけ。
ですが冬の寒い時期になると、その化学反応が低下してバッテリー性能が落ちる。これが、寒いとバッテリー上がりが増える主な要因です。
セルを回す(エンジンを掛ける)時は瞬発的に大きな電気が必要なのですけど、夜から朝にかけて寒さが冷え込むと、セルをしっかり回す(飛ばす)電力を下回ってしまうんですね。
ちなみにその上がってしまったバッテリー、暖かい場所に移動させるとまだエンジンを掛けられたりする。寒さがトドメを刺してる証拠です。
もちろん一度上がったバッテリーはほとんどの場合が基本電圧も下がってるので、充電したらまともに使えるなんて状況はまず少ない。暖かい場所で使えたとしてもまたすぐバッテリー上がっちゃうから、要交換なのですけども。
もし「バッテリーは古くないけど、ほとんど車を走らせてない」とか「夜ばかり走ってる」なんて時は、バッテリーに蓄電する稼働が少ないから上がる場合もあります。
自分が該当するかもしれないと思ったら、近くのカーショップに行って、電圧を見てもらうのも良いかもしれません。
まあでも、購入から2年近く経ってるなら交換が無難です。
バッテリー端子の青白い粉は?
ボンネットを開けると、バッテリーの主にマイナス端子側に、青白い粉が付いてることがあります。
これは、端子の鉛から出来た炭酸鉛とか、中の電解液(希硫酸)が少しずつ滲み出て発生した硫酸鉛が白い粉、あと端子に接続したケーブルの銅が酸化した緑青(ろくしょう)の青い粉が混ざったものと言われています。
いや、正確に成分分析したわけじゃないんですけどね。
で、発生する原因は主に「バッテリーの劣化」もしくは「バッテリー端子とケーブルの接続が悪い」のどちらか。
要はバッテリーに負荷が掛かったり、電気の流れが激しいと発生しやすいのですけど、普通に使ってれば上記の2つのどちらかが原因です。
だからお店でいつもバッテリー交換してもらってる人なら、ボンネットを開けてマイナス端子に青白い粉がたくさん付着してたら「バッテリーがもう駄目かも」って思っても良いかもしれません。
ご自分でバッテリー交換されてる方は、端子の接続が甘いって場合もあるんですけどね。
ちなみにその青白い粉、素手で触ったりしないでください!
その粉の処理について、次項でお話しします。
バッテリー交換時の青白い粉の処理について
この青白い粉はとても有毒です。
どちらも有害なのですけど、特に鉛化合物の方。こちらは粉を吸ったりすると体内に蓄積して神経系の中毒症状を起こします。
なので触る際はゴム手袋、そしてマスクで防護したり目に入らないようにしましょう。
正直、業者からすれば「そこまで気を使ってないよ」なんて声もあるんですけど、何度も作業する業者ほどちょっと神経質なくらいの方が良いんですよね。
「触るのが心配」って方は、素直に業者さんに任せましょう。お店でバッテリー買えば交換まで見てくれますから。
もしご自分で交換される方は、以下の手順を参考に行ってください。
1:マイナス端子からケーブル(ターミナル)を外す
通常は10mmナットで締めてあるので、スパナ等でマイナス端子からケーブル(ターミナル)を外します。
この時、スパナでマイナス端子ナットを回しながら、誤ってプラス端子に触れないように(ショート)。スパークして大変危険です。
バッテリーのプラスとマイナスが触れてスパークすると、バッテリー内が一気に過熱し外装が割れる(電解液が飛び散る)事もあります。また車のコンピュータを狂わせてしまう、ヒューズを飛ばしてしまう、といった事も。
また、最近のバッテリーでは少ないですが、バッテリーは蓄電時にわずかに水素を発生させます。スパークがこの水素に引火すると爆発します。
そのためバッテリー交換は、“車のエンジン停止後30分ぐらいしてから”、“ボンネットを開けて数分換気する”、といったマニュアルもあります。難しいことはありませんが、十分注意してください。
マイナス端子を外したら次に、プラス端子を外します。
そして両ケーブルが外れたら、バッテリーを固定してるステーを緩めて、バッテリーを取り出します。
2:ターミナルの粉を綺麗に落とす
(緑青が固着してる)
ターミナル部からケーブル部についた粉を、綺麗に落とします。
この時もっとも粉に触れたり吸い込んだりしやすいので、注意しましょう。
風が強いと粉が舞い上がって目や口に入ることもありますから、無風のタイミングや雨風の凌げる車庫で行うと良いです。
大抵は容易に落ちると思いますが、固着が酷い時は熱湯に漬けると簡単に落とす事ができます。
一度沸騰させた湯を不用なマグカップに入れて、端子をジャブジャブすると、どんどん溶けて落ちていきます。
(ヤスリも何も使わず、熱湯で数分ジャブジャブしただけ。)
ワイヤーブラシ等は基本的に使わないようにしましょう。端子接地面が傷付き、さらに粉が出やすくなります。
また、エンジンルーム内に落ちてしまった粉も、ぬるま湯で流しておきます。塗装や金属部が腐食する原因になります。
エンジンルーム内は濡れても基本問題ありませんが、粉が落ちてしまった部分のみにしておきましょう。
3:ターミナルにスプレーグリスを塗布
錆び防止のため、ターミナル部やケーブル金属部にスプレーグリスを軽く塗布します。
付け過ぎに注意。吹いた後、乾いたタオルで拭くくらいで良いです。
4:プラス端子から接続
ターミナルが綺麗になったら、バッテリーのプラス端子から接続します。
やはりこの時も、スパナやターミナル同士でスパークさせないように。
新品バッテリーには端子キャップが付いてますから、端子を付ける直前にキャップを外すようにすると、間違ってショートする危険が少ないです。
(端子キャップが付いた状態)
マイナス端子も接続後、忘れず最後にバッテリー固定金具を取り付けて完了です。
次回交換の目安として、交換した日時をマジックペン等で記載しておくと便利です。
バックアップ電源がおすすめ
バッテリーの交換手順について、大事なところを中心に簡単に説明しましたが、バッテリーを外すと車のコンピュータやカーナビの設定メモリーが消えてしまい、車内時計やナビ設定を再度する必要があります。
そこで業者がバッテリー交換する際は、メモリー用に予備電源を繋いでおいてからバッテリーを交換するのですが、安くて使えるバックアップ電源商品があるので、そちらを使って交換するのがおすすめです。
最近の車やハイブリッド車などはバックアップしないで交換すると、車の学習機能に不具合が起こるなんて事例も起きてますから。
バッテリー点検と交換目安まとめ
ということで、自動車バッテリーについて思うところをご紹介しました。
最近の車はバッテリーがどんどん大型化して値段も高くなってきてますから、どうしても交換を先延ばしにしてしまう傾向にあります。ですがバッテリーが上がってしまった時の災難を考えると、やっぱり点検や交換は大切です。
冬に向けて、一度ぜひバッテリーを確認してみてください。
ちなみに、新品バッテリーを市場価格の半額近く安く購入する方法についてもご紹介しています。詳しくは以下のページもご覧ください。
⇒「自動車用バッテリーは通販で安く賢く交換!」こちら
【人気記事】
⇒「良いスタッドレスタイヤ滑らないという幻想」記事こちら
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