- HOME > 役立つマメ知識 > タイヤの片減りは要注意!偏摩耗の原因と対処法
タイヤの片減りはバーストに要注意!
タイヤの片減り(偏摩耗)が起こる方は意外と多くいます。
でも、「片減りはよくある事」などと安易に片付けてしまうのはおすすめ出来ません。
自動車のタイヤ溝は距離を走るほどに減っていきます。これはどんなタイヤでも起こることです。
ただし、全体的に均一に減っていくのなら問題ありませんが、タイヤの内側だけ、または外側だけ等、部分的に極端に減ってしまうのは危険サインと言えます。
局部的にゴムの肉厚が薄くなった部分は著しくタイヤの強度が低下しますから、その部分からバースト(パンク)の危険が高まってしまいます。
(上の写真は、内減りに気付かずバーストした片減りタイヤ)
タイヤには、使用限度の目安となる“スリップサイン”が刻まれています。そして一部分だけでもスリップサインに到達してしまったら、そのタイヤはもう交換時期です。
つまり、片減りはタイヤの寿命をかなり減少させてしまいます。
また、片摩耗が起こるということは、タイヤと地面との接地面積が少ない状態ですから、グリップ力の低下やブレーキ性能の低下が顕著に現れます。
車が本来持つ運動性能も格段に落ちてしまう訳です。
そこでここでは、片減りの状態に合わせた原因と対処法についてご紹介します。
内減り片摩耗
「内減り(うちべり)」は、タイヤの内側だけ減ってしまう状態です。
内減りはタイヤの奥側が減るので外観からは気付きにくく、酷い状態のまま走行を続ける方も多く、バーストするまで乗り続けてしまう例が多いです。
中には、タイヤ内部のベルトワイヤーが出るまで走行する方も。。
定期的に車体の下を覗き込んで確認するようにしましょう。
車高ダウンによる内減り
片減りの中でも圧倒的に多いのが内減りで、その原因として、サスペンションごと、またはスプリング(バネ)を入れ変えて車高を下げるカスタム車に多く発生します。
車は路面のデコボコや段差のショックを吸収するために、サスペンションがクッションの役割を果たします。そして車体が沈み込む時、タイヤは地面に対してハの字に開く構造になっています。
この可動によってカーブを曲がるコーナリングの際、横に流れる車の重心をしっかりと支えてくれる訳です。
ですが、車高を下げるとタイヤは常にハの字の状態になってしまいます。これが内減りの元に。
そのため、車高ダウンしたときは必ずキャンバー角やトーインのアライメント調整が必要です。
分かりやすくいうと、ハの字になったタイヤの傾きを垂直方向に調整して地面との設置面を確保します。
車高を下げて内減りが起こる場合、ショップでアライメント調整しましょう。
また、純正サスペンションであっても、経年劣化で支える力が徐々に低下してハの字にひらいてしまうこともあります。その場合もアライメントを確認する必要があります。
タイヤサイズを大きくして内減り
タイヤをインチアップしたりタイヤ幅やサイズを変える時、タイヤの外径が大きくなると内減りが起こりやすくなります。
通常インチアップする時は外径がほぼ変わらないように選ぶのが鉄則ですが、許容範囲内でも片減りが起こることはあります。
この場合もアライメントを見てもらうのが良いですが、誤差が若干ということが多いので、次回のタイヤ交換の際に、より外径が純正に近いタイヤサイズに変える方が良い場合も多いです。
実はアライメント調整って、どこの修理屋でも出来る訳ではなく、専用の大掛かりな機械がないと駄目なのですが、機械のランクもピンからキリまであってさらに業者さんの設定の善し悪しもあり、「アライメント調整したら逆に狂った」なんて例もあります。
なので、車高ダウンや事故による歪みのような場合は調整が必要ですが、何でもかんでもやれば良いってものでもないんですね。
もちろん、腕のいい業者を捜すのも大切。そしてタイヤの外径サイズが大き過ぎるのは問題外で、それは車検にも通りません。
高速ばかり走る車は内減りしやすい
高速道路や流れの良い幹線道路など、カーブが少なくスピードが出せる道ばかりを日常的に走行する車は、アライメントに問題が無くても内減りする傾向があります。
車は速度が上がると風の抵抗を受けて車体がぐっと沈み、タイヤがハの字に広がりやすくなります。
あまり片減りが酷いときはハの字を抑える調整をする場合もありますが、これは使用環境の宿命と捉えて早めのタイヤ交換や、インアウト指定が決まってないタイヤを選び、スリップサインが出る前に適度に左右で組み替えて、溝を均一に使っていくのも一つの手です。
過積載の内減り
車に常に重い荷物を載せていると車体が沈みやすく、内減りが顕著になります。乗車人数が定員オーバーなど問題外ですね。
これは対処法というレベルではないですが、、無駄に荷物を積みっぱなしだと燃費も悪くなりますし、必要のない荷物は降ろしておきましょう。
外減り片摩耗
タイヤの外側ばかり擦り減る「外減り」。これは運転手も気付きやすいので、早めに対処できると思います。
インアウト指定のないタイヤを選び、左右を入れ替える組み替え対策も効果的です。
カーブの多い道を走る外減り
何の問題がなくても、カーブの多い山道を頻繁に走る車は外減りしやすくなります。安全運転を心掛けましょう。
重心の高い車の外減り
今人気のワンボックスカーやランクルなど背の高いSUV車など重心が高い車は、横Gが掛かるとタイヤの外側に負担が掛かりやすくなります。
これも特に車体やタイヤに問題がある訳ではありませんが、外減りするということは名一杯にグリップしている証拠ですから、安全運転を意識するのが大切です。
タイヤサイズが小さい外減り
外減りで問題なのはこれ。タイヤサイズ外径が小さいと外減りしやすくなりますが、車種がそれぞれ指定する純正タイヤサイズは、その車体を支え運動性能を十分に発揮するために必要な大きさですから、それより小さいタイヤは非常に危険です。
グリップ力の低下はもちろん、車重をしっかりと支えきれないため、スリップ事故やバーストの危険が高まります。
純正タイヤサイズと同等かそれ以上の剛性や強度が必要です。
センター減り片摩耗
タイヤの中央部だけが擦り減る「センター減り」は、主に空気圧過多がほとんどです。
各車種ごとの指定空気圧を守り、10〜20kPa(0.1〜0.2kg/cm2)程度なら許容範囲ですが、必要以上の入れ過ぎは避けましょう。
両肩減り片摩耗
タイヤの内側と外側の両サイドが削れてしまう症状が「両肩減り」です。
運転が激しい両肩減り
コーナリングのスピードを落とさずに攻めるような走り方をしていると、両肩減りしやすくなります。
空気圧が少ない両肩減り
空気圧が規定量より少ない状態で走行を続けると両肩減りしやすくなります。これはかなり危険です。
空気圧が足りない状態で走行するとゴムの歪みが大きく、グリップ力やブレーキ性能の低下はもとより、タイヤの劣化が格段に早くなります。
正しい空気圧はタイヤの性能を発揮するために必要不可欠な基本です。
片減りしたタイヤは無理に使わない
片減りの原因とその対策について書いてみました。
片減り症状が出ている場合は、早めに対処するようにしましょう。
また、「片減りしてるけど勿体ないから」とスリップサインを通り越したタイヤを無理して使うのは止めましょう。設置面を反対に組み替えても、タイヤの負荷は肉薄になった片減り部分にも掛かり危険です。
確かにタイヤの維持費は安くないですから悩ましいですが、命と引き換えにできるものでは到底ありません。
昨今では国産タイヤより断然安いうえに高性能な輸入タイヤ(アジアンタイヤ)も増えています。
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