ピレリタイヤスタッドレスICE ASIMMETRICOの性能インプレ

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　日本に流通する輸入タイヤの中でも準国産であるミシュランやグッドイヤーに次いで認知度が高いタイヤメーカーと言えば「Pirelliピレリタイヤ」でしょう。
　欧州はイタリアのメーカーであり、有名なフェラーリやランボルギーニなど超高性能スポーツカーからポルシェ、ベンツ、BMW、アウディといったそうそうたる自動車メーカーにも純正タイヤとして採用されるほどの定番メーカーです。

　そんなピレリタイヤのスタットレス「ICE ASIMMETRICO（アイスアシンメトリコ）」の効き目性能を、実際に雪上や氷上に出て走行インプレしました。タイヤサイズは155/65R13 73Q、使用車はスズキワゴンＲです。

　ICE ASIMMETRICOのブロックパターン（接地面）は、縦に３本の大きな溝が一周しており、シャーベット雪やウェット路面での排水性を高めています。

　また最近では主要タイヤメーカーでも採用されていますが、下写真のようにブロックの幅が不均等になっているのは、高速走行時の「シャーッ」というパターンノイズ低減のため。

　このパターン目から見ても、どちらかと言えば積雪の多い場所というよりも、乾燥路面での安定感とアイスバーンなど氷上路面の制動性に比重を置いた設計と言えそうです。

　ピレリ「ICE ASIMMETRICO」の実際の高速走行は、やはり安定感があり静粛性も良好。
　剛性が高く、ハンドルを切っても想像以上にクイックに反応します。

　一昔前の日本製スタッドレスのようなフラつきや騒音とは別次元の快適さがあります。

　またウェット路面でのブレーキ性能も、グニャッとせずカッチリとした平面力の強いブロックパターンながら水の膜の上を滑ってしまう感覚は無く、ブレーキを踏んで素直に止まる排水性の高さが感じられます。

　運転歴の長い方ほど、“スタッドレスタイヤで高速道路は走りたくない”なんて思ってしまうものですが、このピレリスタッドレスはスタッドレスタイヤを履いて走ってる事を忘れてしまうくらい、高速走行の快適さがあります。
　クロカン・RV車に装着すれば、オールシーズンタイヤより断然静か。

　とはいえスタッドレスタイヤで最も大切なのは、積雪はもちろんアイスバーンやミラーバーン等も含めた氷雪上性能です。

（傾斜４％程度の雪道上り坂）

　このワゴンＲは２WD（前輪駆動）ですが、雪道の上り坂もスリップする事なく安定して登ります。

（両サイドのブロックが雪を掻き登っていく印象）

　ブリヂストンやミシュランも含め、大概どのスタッドレスタイヤでも２WDで積雪１５cmを超えてくると登りがキツくなりますが、このピレリスタッドレスも国産メーカーに全く引けを取らないグリップ力がありますね。

　ツルツルの圧雪アイスバーン路面でも食い付き、登っていきます。二駆でこのアイスバーンを登るのはけっこう感動。

　波状のサイプだけでなく、各サイドブロックにある吸水スポット（赤矢印）もアイスバーンで滑る原因となる水分を吸水してグリップ力を高め、氷に効く。

　雪国の方なら分かると思いますが、こういった艶のない氷の上ならコーナリングも不安なくという感じ。

　シャーベット雪のような水っぽい雪もトレッドパターンの深い縦溝が抱え込んで排水性を高め、接地面をしっかりと食い込ませて走る感覚です。

　さまざまな路面状況を走行してみても、国産タイヤメーカーに劣る点が見当たらないくらい十分の性能です。

　またこの「ICE ASIMMETRICO」は速度記号Ｑ指定なので、極寒の寒冷地でもゴム質は常に柔らかさを保ち、雪国の方でも安心して使えるでしょう。
　これだけ好印象でいて国産スタッドレスと比べても割安感が高いのですから、人気があるのも頷けます。

　また最新現行モデル「ICE ASIMMETRICO PLUS」はさらに、低温下でもコンパウンドをより柔軟に維持し、効きの持続性も高めています。

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