自動車ブレーキパッド交換の正しい手順を解説

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自分でブレーキパッド交換の正しい手順

自分でブレーキパッド交換の正しい手順と方法

 最近では、自動車のブレーキパッド交換を自分で行う方が増えてるようです。
 正直なところ、ブレーキパッドは重要保安部品なので、整備士免許を持たない方が安易に交換整備するのはあまりおすすめ出来ませんが、自分の車を自分で整備するのは法律上問題なく、実際に交換する方も多いのが現状です。

 確かにブレーキパッド部品は誰でもネットで安く買えますし、車の維持費を浮かすメリットがあります。
(車種別にパッドは形状が変わるので、間違い注文が多いようですけど。。)

 ただし、動いてる車を安全かつ完全に止めるためにブレーキ機構は必要不可欠。そこで今回、ブレーキパッド交換の正しい手順と方法について書いてみます。

自分でブレーキパッド交換の前に

 自分でブレーキパッド交換をする前に。

 ブレーキは車の動きを制御するとても大切な部分ですから、もし問題があれば自分だけでなく他人をも巻き込む大事故に繋がる危険があります。
 ぜひ充分に、そして慎重に作業するようにして下さい。

 そして少しでも不安があるようなら認定工場のプロに任せるようにして下さい。

自分で作業される場合は自己責任でお願い致します。)

一般的なフローティングキャリパーのパッド交換やり方

フローティングキャリパーのブレーキパッド交換やり方

 ここでは多くの国産車に使われている一般的なフローティングキャリパー(片押しキャリパーとか浮動式とも呼ばれる)のパッド交換についてやり方を解説します。
(スポーツカーや大型高級車、外車などに多く装備される対向ピストンキャリパーや、軽自動車(主に後輪)・旧車に多いドラム式ブレーキ(これはブレーキシュー)は少し難易度が上がるので、ここでは触れません。)

キャリパー本体下のボルトを外す

 ホイールタイヤを外し、キャリパーがむき出しの状態から始めます。
 当然ですが、タイヤを正しく自分で履き替え出来ない方は止めましょう。

浮動式キャリパーのキャリパーベースと本体

 フローティングキャリパーはサスペンションに固定されているキャリパーベースと、キャリパーベースに固定されているキャリパー本体に分かれます。
 キャリパー本体は通常、上下2つのスライドピンボルトでキャリパーベースに固定されており、両スライドピンによってキャリパー本体がブレーキパッドの減りに合わせて左右に可動し、ディスクローター両面にパッドを均等に押し付ける仕組みになっています。

 その下側のボルトを外して上に開き上げるようにします。

 両方のボルトを外しても良いのですが、その際はキャリパーの重みで油圧ブレーキホースを傷めないように注意します。
 片側だけであればブレーキホースを引っ張ってしまう事が少ないです。

 持ち上げたキャリパー本体を上部のスプリング(バネ)等に針金や紐でしっかり固定します。

浮動式キャリパーのピストン

 この時、キャリパー本体の内側(車輪内側)からピストンが飛び出しているのですが、このピストンがブレーキパッドをディスクローターに圧着させて、摩擦抵抗で車を制動します。
 通常、ピストンが1つもしくは2つです。

 このピストン周りに油漏れ(ブレーキフルード)やダストブーツの破損が無いか確認します。
(※油漏れがあれば部品交換修理が必要なので、作業を中断して元に戻し認定整備工場にお願いしましょう。漏れが激しい場合は車を動かさないように。)

古いブレーキパッドを外して新品交換

古いブレーキパッドを外す

 キャリパーベースから古いブレーキパッドを外します。
 この時、車種によっては両パッドにスプリング(金具)が付いてる場合がありますので、外す前に付き方を覚えておきましょう。スプリングは高級車やマツダ車などに多く採用されています。

新品と擦り減ったブレーキパッド

 一目瞭然ですが、右が新品(約10mm)、左が擦り減った古いブレーキパッド(約1mm)。

鳴き止めシムとウェアインジケーター

 古いパッド部に付いている鳴き止めシム(金属プレート)やウェアインジケーター(ブレーキセンサーとか警告音金具とも呼ばれてます)は使い回すのでバラして洗浄、新しいパッドとシム接地面に耐熱性ブレーキグリスを塗り、組み付けます。

 車種によってシムやインジケーターの形状は様々ですが、根本的な構造はほぼ同じです。そして元あった通りにセットする事を忘れずに行うようにします。
 慣れないうちは両側まとめて外してしまわず片側ずつ外して戻す方法が、記憶が混乱せず分かり良いかもしれません。

新品ブレーキパッドにシムプレートとブレーキセンサーを装着

 ちなみにこの鳴き止めシムは、名前の通りブレーキングした時のキーキー音を低減してくれる鉄板。
 そしてウェアインジケーターは、ブレーキパッドが残り1mm前後くらいになるとローターに当たるようになっていて、これはブレーキを踏んでない状態でも車が動けば金属の引きずり音がし始めます。

 基本、インジケーターがローターに干渉する前にパッドを換えるよう心掛けましょう。もしインジケーターが鳴り始めたら至急交換です。

 フローティングキャリパーは一般的にローター内側パッドの減りが早いので、ウェアインジケーターは内側のパッドに取り付けてる場合が多いです。
 元から両側に付いてるものは同じように両側とも装着して戻します。

ブレーキパッドがスライドするパッドクリップ

 さらにパッドクリップ(パッドがスライドするキャリパーベースの金属部)やシム外面(キャリパー本体と接する面)にもグリスを薄く塗り、ブレーキ共鳴音と錆、固着を抑えます。
 このブレーキグリスは滑らかにするというより、金属同士の擦れや振動を抑えるために膜を作る意味合いが強いですから薄くて充分。付け過ぎるとブレーキダストや汚れが付着してかえって良くありません。

※この時、ブレーキパッドのローターに接する面には絶対グリスを付けないようにします。ブレーキ性能が低下して危険です。

 新品ブレーキパッドを正しい向きに合わせて、キャリパーベースに装着します。

ピストンを押し入れる

 持ち上げてるキャリパー本体の、飛び出してるピストンを押し入れます。

 ですがピストンを押し込むその前に
 先に、ボンネットを開けてブレーキフルードのリザーバータンク液面を確認します。MAXラインまで入ってる場合などピストンを押し込むとオイルが溢れる事があるので、液面を気にしながらピストンを押し込んでみて、溢れそうな場合はスポイトやキッチンペーパーなどで液量を減らして調整します。

 ブレーキフルードは塗装を浸食し剥離させる作用が強いのでボディに付着しないように注意します。

ブレーキオイルリザーバータンクの液面を確認

 ただし、MAXラインより上がってしまってもタンクから溢れない程度であれば一番最後に調整します。
 くれぐれも抜き過ぎないように。最終的に足りなくなったりエア噛みなんて面倒な事にもなりかねません。

 フロントブレーキの場合は、手動の万力タイプ専用工具が数千円で売ってますから、そちらでピストンを均等に押し下げます。

ブレーキパッドスプレッダー工具でピストンを押し戻す

 キャリパー本体の間に差し込んでハンドルを回しながら広げるだけです。

ブレーキパッドピストンを押し入れる工程

 片面ピストンのフローティングキャリパーであれば、ホームセンターで売っているような数百円くらいの普通の万力で、古いパッドをピストンに被せて締め戻すやり方もあります。

ブレーキピストンを万力で押し込む

 ウォーターポンププライヤー(口の広いペンチ)等で挟み込んで出来なくもないですが、ピストンが歪んだりピストンカバー(ゴムブーツ)を傷付けたりしやすいのでおすすめしません。一般的なサイズのプライヤーでは開口しても伸び切ったピストンまで届かない事も多々ありますし。

 リアブレーキの中にはサイドブレーキ(フットブレーキ)と一体型キャリパーがあります。その場合は無理矢理押し込もうとしても下がらないですから、ピストン面に刻みがあるので回しながら戻します。

 こちらもピストン面の刻みに合う専用ツールが1000円前後(ラチェットは別売)で売られています。
 “ラジオペンチで回せる”なんて情報も見掛けますが、硬いものは簡単には回りませんし、勢い余ってピストンブーツを破いてしまえば目も当てられませんから、安価に買える専用工具はぜひ揃えたいところ。

スライドピンの可動具合を確認

 キャリパー本体を固定しているスライドピン(初めに外したボルトも)は、左右に可動しながらディスクローター両側のブレーキパッドをできるだけ均等に圧着させる仕組みになっています。

キャリパーのスライドピンをグリスアップ

 ですがスライドピンの動き具合が悪くなると内側パッドだけ酷く減ったり、上下2本の可動差でパッドの片減りが酷くなったり、最悪ブレーキ性能が低下する恐れもあります。
 そのためスムーズに動かないスライドピンを抜き、受け側の劣化したグリスも掃除して耐熱性のラバーグリスシリコングリスでピンの動きを良くする必要があります。

錆びて渋くなったスライドピン

(錆びて動きの渋くなったスライドピン。サビを落としてグリスアップ。)

 グリスと一口に言っても種類は多様にあります。スライドピンにはゴムや樹脂を劣化させない耐熱性でなければいけません。

 ピンを抜く際、固くなってる場合は特に、ゴムブーツが熱で金属部に固着してることがあるので、破いたりしないように気を付けます。

キャリパー本体を固定

 新しく装着したブレーキパッドを包み込むようにキャリパー本体を被せて、スライドピンボルトを35〜40N.mで固定します。

 これ、タイヤのナットを填めるような馬鹿力で締めるとねじ切れる事がありますから注意して下さい。
 緩まず締め過ぎない安全な力加減を知っておくためにもトルクレンチは用意した方が無難でしょう。

 これでタイヤ片側が終了です。これを両タイヤ行います。

 ちなみに、左右のパッド交換作業が完了しても、まだ終わりではありません次の工程が特に重要です。

フットブレーキをポンピングが重要

 最後に、運転席のフットブレーキを何度も踏んで、隙間が空いているブレーキパッドがローターに当たるまでポンピングします。
 この作業をせずに車を動かすと大変危険です!ブレーキが効かずに大事故に繋がります。

 初めはフットブレーキがスカスカですが、何度も踏んでいると踏み代(ふみしろ)が減って重くなってきます。

 最後に、エンジンを掛けて停止したまま強めに数回フットブレーキを踏んでから、エンジンルームのブレーキオイルリザーバータンクの量を確認し、MAXラインまで調整します。
 ポンピングするとタンク内のオイルが若干減るので、前述した『溢れないなら最後に調整』は補充の手間を省くためです。

 もしタンクにブレーキオイルを補充する際は、優しく泡が立たないように注ぐようにしましょう。エアがブレーキホース内に混入するとブレーキ性能が著しく低下する“エア噛み”となり危険です。

 ちなみにリザーバータンクはMINラインまで減るような事は基本ありませんが(その前に警告ランプが付くはず)、もしそのような場合は車を動かさず、行きつけの整備工場なりディーラーに電話しましょう。オイル漏れやエア噛みの可能性があります。

(※エア噛みとは、ブレーキホース内に空気が混入してブレーキの効きが悪くなる、または効かなくなる症状)

自分でブレーキパッド交換のまとめ

 自分でブレーキパッド交換の方法を書いてみました。

自分でブレーキパッドを新品に交換

 実際のところパッド交換作業自体はそれほど難しくなく、クルマいじりが好きな方なら簡単に感じるかもしれません。

 ですがブレーキ周りは慎重に取り扱うべき大切なところです。
 ボルトの弛みはもちろん、ブレーキホースやゴムブーツ類の劣化具合、オイル漏れが無いかも確認しながら徹底して行いましょう。

 最後に、もし何かしらの異変や異常を見つけたらそこで作業を止めて、車を走らせず近所のクルマ屋さんに連絡する選択肢も必要です。

 安全で楽しいカーライフの参考になれば幸いです。

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