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車のサイドブレーキ・電動ドアミラー・ワイパーなど雪国で注意すべき対処法
比較的温暖な場所や雪の降らない乾燥した地域と違い、気温がマイナスの氷点下(零下)になる雪国では、その環境に合わせた車のメンテナンスが必要です。
中でも注意事項として特に取り上げられるのが、サイドブレーキ(パーキングブレーキ)、電動ドアミラー、ワイパーの対処法。
雪国に住む住民にとっては当たり前の常識を怠ると、最悪の場合、車の故障にも繋がります。
そこで今回は、知っておきたい雪国の車対策についてご紹介します。
「スキー場に車で出掛ける方」や「雪国で宿泊する方」は是非ご覧ください。
サイドブレーキ(パーキングブレーキ)が凍って解除できない!
「雪国のスキー場に遠出して1日スキー・スノーボードを楽しんだ後、夕方車を動かそうとしたらサイドブレーキ(パーキングブレーキ)が解除できない」なんて話を聞いたことがあるかもしれません。
これは、サイドブレーキの操作を伝えるワイヤーや、タイヤをロック(制動)するブレーキ機構が、雪解けの水分と冷たい外気によって凍ってしまうことで起こります。
凍り方によっては、車のエンジンを掛けて暖めても、何時間も解除できないなんて場合もあります。
そこで雪深い地域では昔から、サイドブレーキを掛けないで停車する対処法があります。
「え!サイドブレーキをしないと車が動いちゃうでしょ!」
もちろん車が動かないように、マニュアル車(MT車)ではシフトレバーをロー(1速)かバックギアに入れ、AT車(オートマ車)はパーキングに入れて停車させます。
ただし、この停車方法には危険も伴います。
AT車は「P」にシフトすればまず動きませんが、特にマニュアル車の場合、ギアがしっかり入ってなかったりすると、オモチャの車のようにスーッと簡単に動いてしまうからです。
また、現代の自動車でサイドブレーキが凍ってしまう減少は、以前に比べて起こりにくくなっています。
旧車ではサイドブレーキワイヤーがボディ下にむき出しのまま配線されていることも多かったのですが、今はフレーム内に収まっていたり、ドラムブレーキの品質精度も高まり、ドラム内に水分が流入しにくくなっていたりと、格段に進化し改善されています。
なので、車種によってはマイナス10度以下の極寒の地でも、まったく問題が起こらない事だって多々あります。
「じゃあ、心配する必要ないんだね。」
いや、でもやっぱり凍ってしまう車種も多いんです。。
ちなみに、サイドブレーキ(パーキングブレーキ)は一般的に後輪をロックしていますが、そのブレーキ構造によっても、凍ってしまった時の頑強度が変わってきます。
・ドラムブレーキ
・ドラムインディスクブレーキ
・ディスクブレーキ(リア・サイド一体型キャリパー)
一番固着するのはやはり、セルフサーボ(自己倍力作用)によって強力に制動するドラムブレーキ。その次が、サイドだけ中心部の小型ドラムで制動するドラムインディスクブレーキで、最後にディスクブレーキ(サイドブレーキ一体型キャリパー)。ディスクブレーキの凍結はそれほど心配いらないでしょう。
また、外気温が低いほど凍るという訳ではなく、リアタイヤ内側のサイドブレーキワイヤー端部に雪が掛かるような吹雪や走行の後、気温が氷点下に下がる時が一番危険です。
結局サイドブレーキは対策すべき?
で、「結局のところ対策すべきかしないべきか」ですが、安全に対処できる場合はした方が良いです。
安全に対処できる場合とは、AT車であること、そして駐車場所が傾斜もなく平らな平地であること。
現在走っている車の10台中9台以上がAT車です。AT車はシフトをPレンジに入れておけばサイドブレーキをしなくても、まず問題ありません。
次に、水平な平地である事。
雪国ではできるだけ車を平地に止めるのが鉄則です。というのも、傾きがある場所で雪深くなってしまうと、そこから脱出する事が困難になるからです。
しかも、圧雪路面がツルツルに凍ってしまうなど状況によっては、いくら4輪を確実にロックしたとしても坂道だと車が勝手に滑り出すことも。。
水平な場所であれば、サイドブレーキを引かずとも車が動き出す心配は低減します。
このような場面であればマニュアル車も、確実にギアを入れてサイドを引かず停車しておくのがおすすめです。
(※当然これは万が一、車が勝手に動いてしまうと、サイドブレーキが凍ってしまうより大きな損害に繋がるので、充分な安全が得られない場合は、サイドブレーキを引くようにしましょう。)
(※これは氷点下の限られた環境下でのみサイドブレーキ(フットブレーキ)を使わない方法であって、通常の停車時はサイドブレーキ必須です。冬期以外の凍結の恐れがない状況で行うのは絶対にヤメましょう。)
電動ドアミラーが凍って故障!
雪国では電動格納式ドアミラーが凍って故障する事故が多発します。
凍って固まっているのにドアミラーのモーターが無理に開閉しようとすれば、壊れるのも当たり前ですね。
また昨今の新車種は、ドアミラーの自動格納機能(オート開閉)が標準装備されてるものも多く、エンジンを掛けた途端に「バキバキッ」と内部が破損してしまい、修理される方が増えています。
その対処法はもちろん、雪国の冬では基本的に電動ドアミラーを畳まないことです。
特に、夜間の冷える時間帯に一晩中停車する場合は、ミラーを開いたままの状態にしておくと安全です。
ちなみに、自動格納ドアミラー装備車も、勝手に動かないように設定する事が可能です。
雪国にお住まいの方はもちろん、時々訪れる人もその都度設定するのがおすすめです。
各車種によって設定方法が違うので、それぞれ取扱説明書を確認して下さい。
ワイパーを立てるのはなぜ?
雪国では、ワイパーを立てて停めている車を、よく見掛けるかもしれません。
この理由は2つ。
一つは、雪解け水が凍ってワイパーがガラス面にくっ付いてしまうのを防ぐため。
無理矢理剥がしてワイパーゴムを傷めないように、事前に離しておきます。
雪国で朝、車を動かす際は、雪下ろしからフロントガラスの暖気や氷の除去など、出発するまで時間が掛かります。
ワイパーを持ち上げておく事で、ゴムを傷めず多少時間がはかどります。
もう一つは、重たい雪が一晩でドカッと降ってしまうと稀に、ワイパーに雪の重みが掛かかりアームが歪んでしまう場合があるので、それを防ぐため。
ただし、ワイパーを上げたまま長期間車を動かさないでおくと、逆効果となることもあるので注意。
例えば、積もった雪の表面が日中少し溶けて、夜また凍るとカチカチに固くなります。ワイパーを立てていると、固い雪の塊が滑って立っているアームを曲げてしまう事があります。
ということで、ワイパーを持ち上げてなくても、それほど問題ではありません。
まあ、車種によってはボンネットに干渉して立てる事ができない車種もありますし、どちらかというと車に雪が積もったら毎日雪を下ろしておく方がよほど大事です。
中でも特に、リアワイパーは雪の重みや凍結で稼働時に破損しやすいので注意します。
雪国で注意すべき車対処法まとめ
雪国で注意すべき車の対処法について書いてみました。
日頃、雪が無い環境で生活してる人にとっては、初めて聞く内容もあったかもしれません。
思ったより雪って厄介なんですよね。
ちなみに最後に、雪国から雪の無い地域に戻ったら、車の腹下まで全体を充分に洗車する事をおすすめします。
雪が降る場所ではそこら中に塩カル(塩ナト)が散布されているので、そのままにしておくとサビの発生を早めてしまいますから。
雪国でも快適なカーライフを送る参考になれば幸いです。
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